(ガズクラブの”舞台裏”②|vol.271より続く)
さて、随分久しぶりのブログ更新となってしまい、誠に恐縮だが、そろそろこのブログの“新章”を書いてみようと思う。
しかし、いきなり“新章”に突入するには、あまりに前回からの時間が空いてしまった事もあり、正直、まずは、私自身が“私的な書き方”を思い出す必要がある。
何事も久しぶりというのは、“空回り気味”になりやすいので、まずは軽いリハビリ、準備運動を経て、本ブログ「The Mission」の筆者としての自分を取り戻そうというわけだ。
そういうわけで、まずは、“スジナシ”でつらつら書いてみようと思ったが、書き始めて直ぐに全くのスジナシも辛いと悟ったので、一先ずは“大まかなテーマ”を決めて進めてみようと思う。
そこで、今回の“お久しぶり回”では、G-Laboに関する、私の価値観を思うままに書いてみよう。
2019年の7月に立ち上がったクラウドファンディングからG-Laboはスタートしたわけだが、そこから早二年以上が経過し、これまでのブログ記事にも挙げてきた通り、文化の違い、人の問題、コロナの影響など、様々な困難や課題を乗り越えて、主観的にも客観的にも、“ようやく整った”というのが今の状況だ。
敢えてここまでの感想を短く言うならば、「決して楽ではなかったが、存外面白かった。」といった感じだ。
海で遭難して何とか無人島に漂着し、様々な痛い目に合いながらも、根性と知恵を振り絞り、どうにか生き延び続けた結果、“なりの生活”が身に付き、“ひとまずの安寧”を手に入れたといったところだ。
前にも書いたが、映画“キャスト・アウェイ”では、トムハンクス演じる主人公のチャックが漂着した無人島で、四苦八苦しながら4年以上もの歳月を過ごすのだが、中でも印象に残っているシーンの一つが火起こしだ。
せっかく確保した魚やカニを生では食べられないという事で、どうにか火を起こそうとするのだが、小さい頃に漫画なんかで見たような、木の板に木の棒を押し当てて回転させる事で、摩擦による火起こしを行うが、上手くいかず、挙句の果てに血まみれの怪我を負ってしまう。
それでも諦めず失敗を何度も繰り返す中、遂に火起こしを成功させたチャックが大声で「俺様が火を起こしてやったぜ!」っと叫ぶシーンは笑えるが、実はちょっと感動したのをよく覚えている。
そんなサバイバルの知識も技術も無かったチャックでも4年の歳月を経る中で、少なくとも衣食住の心配のない、“なりの生活”が板に着きまくっていったのがとても印象的だった。
G-Laboは2年以上の歳月を掛け、川上が認める人材の確保、信頼のおける上質な資材の仕入れ先、高品質を均一に保つための設備など、まさに七転び八起きの中、どうにか土台となる環境を手に入れ、安定的な生産環境を得ることができた。
しかし、それは当然ではあるが、“ゴール”ではなく、ようやくメーカーとしての“入り口”に立ったに過ぎない。
ただし、“サバイバルに苦労しながら手に入れたもの”だから、“色々な意味”で“得るものが大きかった”という事は加筆しておこう。
ガンジーの言葉を拝借するなら、米を与えられるよりも、米の作り方を学んだ方が余程価値があるということだ。
特にビジネスはサバイバルの連続だ。生き残るためには、“常に考え続ける事”と“簡単に折れない根性”が必要だ。
そもそもビジネスを継続する上で、どれだけ“ビジネスの達人”になろうとも、問題や課題がなくなる事は決してない。
それどころか、ほとんどの問題はスケールや態様は変われど、過去にあった問題と、実のところ、根っ子の部分(本質の部分)は変わらないものだ。つまり、永続的に似たような問題に振り回される事になる。
例えば、“人の問題”、“経済環境の変化における問題”などはその典型的な例であり、全ての経営者の永遠のテーマと言っても過言ではないだろう。
言いたいのは、必ず起こる問題に備えるのに、毎度問題が起こってから解決に取り組むというのは、愚か極まりないと言われても仕方がない事だという事だ。
常に考えていれば、問題をある程度未然に防げるだけでなく、実際に起こった際にも、反射的に動く事ができるようになる。
考え続けるというのは、ある意味、アンテナを張り続けるということでもある。それはリスクセンサーでもあり、トレンドセンサーでもある。ビジネスを推進するのにとても重要なものだ。
また、そうした問題は、繰り返し言うが、どんなに頑張っても決してなくなる事がない上に、“酷く疲れる”ものだ。
だから立ち向かい続けるためには、“それなりの根性”もいるというわけだ。最も大事なのは、サバイバルに生き抜くために、それらの知恵(考える習慣)や根性を身につけるためには、それなりの修羅場の経験を自分で味わう必要があるものであると私は思っている。
そして、G-Labo発足からの激動の二年間の中には、確かにそれがあったと実感しているというわけだ。
次回
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