ベトナムでウクレレを創る!ドラマティックなビジネスストーリー。|G-Labo 公式ブログ

【ベトナムウクレレ by G-Labo】vol.28 いよいよ訪れる大惨事への序章⑤

 

第二陣の納期に向けた製作の真っ只中、川上から我が耳を疑う“信じられない報告”が入った。

何と、最近、トムさんの工場が“仕事をしていない”というのである。

【ベトナムウクレレ by G-Labo】vol.28 いよいよ訪れる大惨事への序章⑤
これは一体どういう事なのだろうか?私は最初、川上に言われたことの意味がよくわからなかった。
どういう事なのか詳細を聞いてみると、川上自身もどう答えて良いかわからない様で、とにかく、「急に誰も作業を進めなくなった」というのである。

この頃の川上は、前段の失敗から学び、作業タスクの管理をかなり細かな項目で行っていた。そして、各タスク項目の作業完了予定日、と言っても項目が細かいので、ほぼ毎日であるが、必ずその進捗の確認を行うようにしていたのである。
こうした細かな管理を行うようになったのは、管理能力に長けた“兼松”からの助言によるものだったが、全行程の進捗を俯瞰するためには、当たり前だが、必要不可欠な事となっていたのである。

ところが、先述の予兆が起きた頃を境にして、どういうわけか急に作業の進捗が著しく悪くなった。
しかも”工場自体が何故か全く動いていない”という日が度々あるというのである。

理由はともかく、とにかくこのままではまずいと川上がトムさんに掛け合うのだが、彼は「ただ遅れているだけだ」と言うだけで、どんなに理由を聞いても暖簾(のれん)に腕押し状態で、判然としない。
せめてリカバーの目処だけでも立てようと迫るのだが、トムさんいわく、リスケの予定すらも立てられないという。私が川上から聞いたままの言葉で言えば、「そんな先の事を聞かれても答えられない」と、半ば居直っているという事だった。

そうなると川上的にはもはや完全にお手上げ状態で、これ以上どうしたら良いのかわからない、といった感じであった。


しかし不思議なのは、前段のトラブルの際には、問題は多々あったものの、“作業が止まる”という事態は一切なかったという事である。
それどころか、ダメな中でも、納期遅れに対する危機意識は少なからずあり、もちろん川上が尻を叩いたというのもあるが、川上と共に献身的にリカバーに努めている様に見受けられていたのである。

つまり、私の理解では、“暴走”は起こすが、“怠けるような体質”の工場ではなかったという事であり、自業自得の受難であったとはいえ、苦難の中でも少なくとも“責任を放棄しなかった”という実績は、“ダメな中でもまだマシ”であると評価していたのである。

【ベトナムウクレレ by G-Labo】vol.28 いよいよ訪れる大惨事への序章⑤

それが何故今になって急に“サボる”という、これまでに無いパターンの問題を起こしたのか、とても不思議だった。
そもそも生産性を向上するために高額な設備まで導入していたにも関わらず、ここに来ての進捗の失速は全くもって不可解な事だらけだった。


余談だが、ベトナム企業への外注の際に納期のトラブルに陥るというのは、別に珍しい事ではない。
これは“時間に対する価値観のズレ”によって生じるものである。

例えば、納期について、日本人の当たり前の感覚として、納期を守るというのは“至上命題”であり、守られるのが当然であると考えるが、ベトナム人側からすれば、“努力目標的”に捉えられ、重要視されず、マイペースな仕事をされてしまい、いざ納期の当日や間近になって、ようやく遅れの報告を受ける様なケースがしばしば起こる。
当たり前だが、“日本の常識は世界の常識”ではないのである。

そのため、外注などの際には、“最初に”そうした認識の擦り合わせをしっかり行い、ルールを明確にする事が必要不可欠なのである。


しかし、今回のケースはこれにも当てはまらないと私は考えていた。
何故なら前段のトラブルで、納期に間に合わせる事の重要性は我々と共に“体験済み”だからである。

しかし、現場ではその様な謎解きをしている暇など、全くなかった。
川上は遠隔ではとても管理できないという事で、弟子のヤンさんと共に、ほぼ毎日の様にトムさんの工場に出入りし、作業を手伝う様な動きになっていった。

しかし、これがいけなかった。燃え盛る火事の中に、無策で飛び込んだのである。
こうなると彼自身も、本来は火消しを担う消防士であったにも関わらず、一気に要救助者となってしまうのである。
つまり、全体の管理など最早不可能で、一プレーヤーとして、作業に終始してしまい、とにかく目の前の仕事を終わらせる事で一杯一杯となってしまうのである。

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まさに、川上がせっかく築きあげた指揮系統も、工程管理のルールも全てがゼロに巻き戻された感じだった。
もちろん、こんな方法で、順調に作業が進むわけは無い。
動いたところで、まさに牛歩の如し、亀の歩みなのである。

率直に言って、今回のトラブルは前回とは違い、はっきり言って“かなりヤバい事態”である。
私は迅速な問題の解決を図るために、問題の分析や解決に長けた“兼松”を投入する事とした。

それから程なくして、我々はとんでもない事実を知る事となる。



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takeshiueda
この記事を書いた人
上田 健志
1977年愛知県名古屋市生まれ。
大学卒業後、アパレル会社での勤務を経て2004年に法務系士業コンサルティング会社有限会社LEGAL SQUAREを設立。
IT分野での顧客サービスの需要の高まりに伴い、有限会社C-UNIT SQUAREに商号変更し、システム開発を中心とした事業を行う。
現在は「ビジネスをつくる」をテーマに、日本とベトナムで複数のマーケティングプロジェクトを手がけている。
現 株式会社C-UNIT SQUARE代表取締役社長。

ある日、趣味の1つであるウクレレを通じて、ウクレレYoutube「GAZZLELE」と出会う。GAZZ氏とビジネスアイデアをあれこれ語り合う中で、いつしか協業することに。
"ガズのわがままウクレレ"クラウドファンディングを皮切りに、オリジナルウクレレの製造工場「G-Labo」の設立、D2C販売モデルなど、様々なビジネスアイディアを成功に導くべく、日夜奮闘中!

株式会社C-UNIT SQUARE
https://www.c-unit.co.jp
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