ベトナムにて川上工房が一応の順調を取り戻した頃、日本では“ある特別な企画”が立ち上がっていた。
「G-Laboインターンシップ」である。
これは、新設される自社工場にウクレレ職人志望のインターン生を募集し、実際の現場の中で、川上の指導の下、ウクレレ製作に必要な技術やノウハウを学べるといった企画である。
この企画は私が考案し、ガズさん、竹内さんなどと様々な議論を重ねて実施に至ったものだが、今後のG-Laboの“在り方”や”方向性”を指し示すのに非常に重要なチャレンジであると考えていた。
手探りから始まる“新規ビジネス”というのは、まさに“波乱万丈”であり、“サバイバルの宝庫”だ。
これまでにお伝えした通り、G-Laboの立ち上げにおいても当然にそうで、まさにトラブルだらけの荒れ狂う海を、必死の解決を図りながら、乗り越えていく様なイメージである。
以前、無人島の例え話(※このエピソードはvol.26を参照されたい。)をしたが、私の思い描く人材教育としては、「”人が理屈で”人に教える」よりも、「“環境そのものから自ら”学んでいく」方が、遥かに価値があり、手っ取り早く、効率的であると考えている。
もちろん、企業は“無人島”ではないので、適度な庇護やリードは必要なのだが、自らが必要に迫られ、自分の頭をフル回転で活用し、困難な課題や問題に立ち向かう経験を積まなければ、全てを人から教えられるか、もしくは誰かに依存しないと前に進めなくなる。
特に新規事業というのは、事前にどれだけ必要と思われる事を調べ尽くしたとしても、常に新しい課題や問題の宝庫なのだ。
故に、本やネットで得た知識よりも、都度の“機転の積み重ね”から得られる“知恵の蓄積”こそが、よっぽど重要となるのである。
つまり、どれだけ想定しても“いずれ必ず発生する”課題や問題を前にして、「教えられてないからできない」とか「経験がないからできない」などと言っていたら、完全にアウトなのだ。
そうなる前に「どうしたらできるのか?」を追求する姿勢を身につける方が、余程賢明で肝要なのである。
ガンジーの言葉ではないが、まさに、米を与えるよりも米の作り方を、魚を与えるより魚の獲り方を、知識(やり方)を与える(教える)よりも、“自ら知恵を振り絞って解決につなげる方法”を身につけてもらう方が、人の成長や仕事の進化を図る上で、遥かに価値があると考えているのだ。
そして私が言いたいのは、G-Laboの立ち上げの場というのは、計らずとも“最高な教育環境”であるという事だ。
この教育環境において、最も重要かつ大前提となるのは、現場にある熱量、つまり“情熱”だ。
そして、G-Laboの現場には、常に“溢れんばかりの情熱”がある。
ガズさんや川上にはもちろん、当然に兼松をはじめとする他のスタッフ達全員にもだ。
そもそも熱量のある現場というのは、そこにいるだけで心地良いし、とてもワクワクする。
そうした雰囲気があるから、どんなに困難な壁にも、もちろん苦しさや辛さも伴うが、それでもポジティブに挑むことができるのだ。
だから私は、このG-Laboという、“貴重な立ち上げ期間にしか味わえない極上の体験”という付加価値付きの“情熱溢れるサバイバルな現場”こそ、学びを得るのに最適なインターンシップの場となり、インターン生にとって掛け替えのない“特別な体験”を提供できると確信していたのである。
しかし、このインターンシップという目論見は、“インターン生の教育”だけに終わるはずがなく、もちろん第二、第三の目的がある。
そして、そこにこそ、今後のG-Laboの“在り方”や“方向性”との深い結びつきがあるのだ。
次回
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