一月に入り、予定通り川上が夫婦でホーチミンに移住する事になった。
先述の通り、ある程度の家具や家電は引越し先の住居に揃っていたので、身の回りで必要なその他のものを徐々に買い足す程度で、引越し自体は想定通りのスムーズさで完了した。
しかし、今回は住居内に工房スペースを作らなければならないのだ。彼の当面の仕事は「DIYで工房を作り上げる事」と、「外注先である“トムさんの工場”とガズのわがままウクレレ製造の段取りを決める事」であった。
まず、工房作りだが、作業に使うための台やテーブル、棚などは全て川上が手製で作り上げた。また、木屑の飛散を防ぐために、垂幕式のビニールのシールドも設置された。さらに、壁面には元の壁を傷つけないように防護用の板張りが施された。こうした施工に必要な材料や工具は、勝手がわかっていれば現地で簡単に手に入る。
それにしても、さすがは分野は違えど“木工職人”である。移住後、約2〜3週間程度で、”小さくも立派な工房”が完成した。また、当面は経理などの必要な事務もこの工房スペースで行う事にした。
以下の写真は後にガズさん、こずえさんが訪れた際のものである。工房としては決して広くはないのだが、なかなかの出来映えに見えるのではないだろうか?
余談だが、ガズさん、こずえさんを含め、この工房を訪れた人たちがこぞって称賛していたモノがある。それは、ブルーのプラスチックの“テーブルと椅子のセット”である。
現地の日用雑貨店で500円以下で買えるものだが、これが見た目からは想像つかないくらい座り心地が良いのである。
ガズさんはこの椅子が大のお気に入りで、できる事なら日本に買って帰りたいと本気で言っていたが、飛行機で運ぶのはさすがに難しいと断念していたのが印象的だった。
また、この工房のスターティングメンバーとして、川上に加えてもう一人、IT事業部からの出向で、通訳者のアンさんが当面のサポートを行う事になった。
彼女はチャンさんに次ぐ通訳・翻訳技術の持ち主で、今回は単純に通訳を行うだけでなく、トムさんの工場との様々なやり取りや、その他の商談などのフロント業務を担当した。
彼女であれば、人柄もよく、非常に真面目かつ丁寧な仕事をするので、安心して川上の世話を任せられるといった感じである。先述した視察ツアーの際には、その柔らかな人柄と、一生懸命な姿勢から、ガズさん達同行者からもとても好評を得ていた。
しかし、彼女こそが後に起こる“大事件”において、ある意味“一番の被害者”となるのだが、それはまた別の機会にお話しさせていただこうと思う。
次回、【G-Labo】vol.18 職人vs職人!日越職人の共同作業で遂にウクレレ製造が始まる! に続く。
\ R A N K I N G /
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