カンさんを採用した面接から数日が経過した頃、私は次の面接の予定について、そろそろ頃合いだと思い、川上に確認してみる事にした。
ところが、どうも通訳のチャムさんのところで話が止まっているらしく、なかなか面接の予定が組み立てられないという話であった。
よくよく話を聞いてみると、生産体制のバージョンアップを急ぐ川上の行動に合わせ、チャムさんはベタ付きで川上のフォローをしているため、本来の仕事である総務業務が疎かになってしまっているようで、求人応募の対応も滞ってしまっているという事だった。
こうした状況は、本来であれば兼松に相談し、時事的にスポットでIT事業部から助っ人通訳をアサインすれば済む話なのだが、たまたまタイミングが悪い事に、IT事業部は年に一度の社員旅行の最中で、直ぐの対応が難しい状況であった。
結果として、兼松の帰還後、IT事業部に助っ人通訳を要請する事で停滞は解消されたのだが、タスクのプライオリティ(優先順)の付け方に関しては、少し問題があると言わざるを得なかった。
まず、求人というのは”生モノ”だ。
求職者はウチに限定せずに求職を行なっているわけで、当然に他社での面接も受けている。
そして良い人材であればあるほど、優先的に採用されてしまうのが世の中の摂理なのだ。
だから、どれだけ忙しかろうが、面接日を決めて連絡するなどの最低限の一次対応位は言うまでもなくキチッとやらなければならない。
つまり出会う前から“一期一会の構え”である事が肝要で、良縁を一つも逃さない気構えこそが求人では重要なのだ。
少し固い話かもしれないが、企業である以上、コストを掛けて求人を行うのであれば、当然に”KPI(重要業績評価指標)”をきっちり設定する必要がある。
多くの人材から選りすぐって質の高い人材を採用したいのであれば、例えば「面接の設定率」や「内定承諾率」をしっかり意識して執り行うべきなのだ。
つまり、単純に数を集めるのではなく優秀な人材を求めたい場合は、何よりもまず”面接の機会”そのものを重んじなければ、話にならない。
当たり前だが、求人そのものにもコストはかかるので、そもそも掛けたコストの効果を最大限獲得する姿勢が大切なのだ。
他の仕事ももちろん大切だが、様々な仕事の中でこういうプライオリティが上手く付けられていないという事は、タスクの整理や、計画的な行動が上手くできていない事も見て取れる。
しかし、それらがしっかり出来ていないと、いつまでたっても生産性の最大化(最大効率)を求める事が出来ないのだ。
恐ろしいのは、目の前にある仕事をめちゃくちゃ頑張っているのに、プライオリティを意識していないために、パスが上手くつながらず、いつまで経っても生産性が上がらないという事態に陥ってしまう事だ。
工場の体制が明確に上向きに転じ始めた今だからこそ、こうした“抜け”は早期に修正する事が急務なのである。
とはいえ、IT事業部のフォローもあり、工場は第二の面接を無事に執り行う事ができ、新たな手練れ職人を獲得する事ができた。
何と今度は、楽器製造の経験者である。
\ R A N K I N G /
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