川上およびユさんとの打合せから数日後、今回の“デニーさん問題”の解決のために、兼松とデニーさんの面談が行われる事となった。
結論から先に言えば、この面談を経て、改めて本件の会社としての見解と、社員として持つべき姿勢や価値観などが兼松からデニーさんへと伝えられたわけだが、本人的にも納得ができたようで、事実上の“仕切り直し”という形で収まる事となった。
そして、今はまだ詳細は言わないが、この後、彼は川上から思わぬ評価を受ける事となるのである。
この頃私は、突発的に起こった“ある大問題”から、この工場の大改革に向けて全力で動き始めていた。
それは、私にとっては本当に突発的に起こった出来事だった。
ある日曜日の晩、私は兼松とデニーさんの面談の結果について報告をしようと川上に連絡を取り、事の詳細を話していたのだが、電話の向こうで、突然にユさんが怒り始めたというのである。
電話の向こう側で起こっている事なので私には細かい状況はわからなかったが、どうやら、川上が電話で話をしている側に彼女もおり、漏れ聞こえる会話を聞いて思うところがあって、激怒してしまったというのである。
しかし私としては、その時の会話の内容から、いきなり激怒される要因を見い出す事ができなかった。
とにかく状況がわからないため、どういう事なのか川上に聞いてみると、おおよそ次のような話だった。
先日の私とユさんの話合いの際に、彼女は自身の考えを私に伝えたものの、結果的に聞き入れてもらえなかった。
その時は私の話が上手過ぎてつい納得したが、後から考えるとやはり納得できなかった、という話である。
つまり、彼女としてはどうも私に“上手く丸め込まれた”という風に感じたという事らしかった。
実のところ私としては、何故今の川上とのやり取りで彼女が急に沸点に達してしまったのかが全く理解できなかったのだが、ともあれ、私とのやり取りによって何か大きな誤解を与えているという事ならば、直ぐにも解消すべきだろうと思い、川上を通じて彼女に話をさせて欲しいと掛け合ってもらった。
しかし、今は話ができる状況ではないという事で、その申し出は断られてしまった。
とにかく事態が飲み込めず、気持ちの悪い状況であったが、時間が経てば冷静な話もできるだろうという事で、少し時間を空けた後、私は彼女に宛ててメッセージを送った。
私とのやり取りで不快な思いをさせてしまったようで、その点申し訳なく思っているという事と、今後の仕事のためにも、一度話をさせてほしいという内容のものだ。
このメッセージへの返信はかなり時間が経ってから送られてきたが、その内容は、非常に残念なものだった。
そのメッセージは、私に対して大変失礼な態度をとってしまった事に対する謝罪と、今は私と一対一では話ができない、というものだったのだ。
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