私は三年半前に初めてウクレレを手にした。
まだ川上とも出会う前だ。
何故ウクレレを手にしたのかという理由については、以前にお話ししたのでここでは割愛するが、何も知らずにウクレレを購入した「未経験者」であった“当時の自分の中”にこそ、G-Laboの新しいサービスの明確な答えがあると今の私は確信している。
ウクレレを初めて購入した当時、初心者どころか完全なる未経験者であった私は、何もかもがわからない事だらけで、かなり苦労した事をよく覚えている。
チューニングの仕方を間違えて弦を張りすぎて切ってしまったり、その切れた弦を張り直そうと思ってもやり方がわからず、それどころか、店に行ってもどの弦を買えば良いかすらわからなかった。
その後、ウクレレにどっぷりハマり、仕事の合間を縫っては御茶ノ水の楽器店に通い詰め、良いと思ったウクレレがあれば躊躇なく購入していたのだが、後に、とんでもない間違いを犯している事に私は気付かされる事になる。
ある時、久しぶりにお気に入りだったMartinのコンサートモデルを弾こうと思ったところ、なんとボディが大きく凹んでいる事に気付いたのだ。
その当時は川上と出会った直後だったので、直ぐ様彼に相談したのだが、時すでに遅しで、完全に修復する事は出来なかった。
幸い、音に影響が出る様な問題ではなかったものの、そのウクレレはそこそこ高価であった事に加え、自分としてもかなりのお気に入りのウクレレだったため、ショックもかなり大きかった。
川上に聞くところでは、凹みの原因は弦の緩ませ不足で、Martinのそのモデルはボディがかなり薄い作りらしく、他のモデルよりも、弦の張力に負けてボディが変形しやすいという事であった。
この一件に焦った私は、手持ちのウクレレを全て川上に預け、点検とメンテナンスをお願いした。
まさに、“知らない”という事は恐ろしいという事だと思い知らされた一件だったいうわけだ。
以降は川上の指導に従い、所有しているウクレレ達は大切に保管がなされているが、デリケートな性質を持つウクレレの正しい保管方法というものを、恥ずかしながら私はこの時初めて知ったのだった。
この話で重要なのは何かと言うと、そういった細かな情報は、当時出入りしていたウクレレショップからは一切教えてもらえなかったという事だ。
もちろん、聞けば教えてくれたのだろうから、店が悪いとまでは思わなかったが、全くの未経験者だと知った上での付き合いであったため、正直に言えばちょっと冷たいなぁとは思ったのである。
さらに驚いたのは、このショップにはリペアの部門があり、一応持っているウクレレも保証付のものだったので、聞くだけ聞いてみようとリペアについても聞いてみたところ、当然、こちらの過失であるが故に有償である事は仕方なかったのだが、そのお値段が何と、同じウクレレをもう一本買えるほどの高額なものだったのだ。
川上の見解によれば、「直そうと思えば無理やり直すこともできるが、現状の音が変わってしまう事もあり得る」という事と、そのウクレレの現状の音色が、文句のつけようがないほど素晴らしかったため、そのリスクを冒すのはもったいないという事となり、最終的に、ボディの凹みのリペアは見送られる事となった。
そういうわけで、この一件は色々な意味でショックを受ける、苦い経験となってしまったというわけだ。
次回
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