リーダーシップにまつわる書籍というものを、試しにAmazonで検索してみたところ、何と20000以上の検索結果が出てきた。
中には私が読んだ事がある本、例えばデール・カーネギーや松下幸之、スティーブン・R.コヴィーなどの著書も何冊かあったが、いずれも、リーダーシップについて何か知りたいと思って購入した書籍というわけではなかった。
というよりも、リーダーシップというテーマに絞り込んだ形で、特段何か調べようとか、知りたいと思った事がそもそもなかった。
そもそも、私にとって“リーダー”というのは、成ろうと思ってなるもの、成れるものではなく、”成るべくしてなるもの”であると思っており、個人的な好みはともかく、やり方も人それぞれで良いと思っているので、特に人から教わるようなものでもないと私は考えている。
とはいえ、様々なビジネス書籍を読み漁っていると、私的に尊敬できる様々なリーダー像を窺い知る事ができ、自身の思い描く理想的な経営者像に、少なからぬ影響を受けてきたのも事実だ。
今回の主旨はそれではないので、ここで詳細は書かないが、例えば、ハロルド・ジェニーンやアンドリュー・S・グローブの自著などがそうで、読書の結果、本当に尊敬すべき、素晴らしい経営者であると実感した事だけはお伝えしておこう。
しかし、”リーダーシップ”というのは、そもそも人から教わるものではなく、やり方も人それぞれで良い、などと単に言い放ってしまうと、本当に“何でも良い”と思っていると誤解されてしまいそうなので、少し加筆させてもらおうと思う。
まず、リーダーというのは、与えられた役職や、何かしらの経験値を積んだから自動的にリーダーになれるというものではなく、リーダーになる本人自身が、自分はリーダーなのだと”自覚”をしたところで、初めてリーダーとしての第一歩を歩み始めるものであると思っている。
しかし、最も大事なのは、その自覚の上で、「周囲の人間がその者をリーダーとして認めているかどうか」だと私は考えている。
だから、例えば役職としてリーダー的なポジションを与えられただけでは、肩書き上はリーダーであっても、実質としてはリーダーと呼べない人も、世の中には沢山のいるものだと思っている。
平たく言えば、至極当然な話なのだが、「“良いリーダー”には人が付いてくるし、“ダメなリーダー”には人が付いてこない」という事である。
言い換えれば、別に役職などなくても、周囲がリーダーだと認めるのであれば、その人はリーダーと呼べる“存在”なのだと思っている。
「成ろうと思ってなるもの、成れるものではなく、成る可くしてなる」とは、そういう意味だ。
また、言うまでもないが、人が人についていく理由など、星の数ほどある。だから、“やり方は人それぞれで良い”と表現したのである。
更に付け加えると、「周囲がリーダーとして認めているかどうか」とか「人が付いてくる」というのは、属する組織の中だけに限ったことではなく、”内外問わず”においての話である。
猿やゴリラの群れはどんなに大きかろうが、傍から見て誰がボスなのか一目で直ぐにわかる。
それは人であっても何ら変わるものではないと思っているというわけだ。
つまり、リーダーとしての“存在感”があるものが、リーダーなのである。
極めて当たり前の話だ。
しかし、もちろん、人間と猿では大きな違いがある。
猿やゴリラは、単純に群れの中で一番“腕っぷしが強いもの”がボスとなるが、人の世にあっては、もちろん、そんな単純な話ではない。
リーダーとして認められるためには、人格、姿勢、言葉、技術など、千差万別の様々なエッセンスがある。
経営者になりたての頃、とある中堅企業のカリスマ経営者に、自らのリーダーシップ論を滔々と聞かされた事があったが、重厚な経験則から練り上げられたであろう鉄板と呼べる素晴らしい演説で、それはそれで、正しいのだろうとも思ったが、私の経営観には何一つ響かなかったのをよく覚えている。
他人の経営観などは、良し悪しに関わらず、所詮そんなもので、どれが正解か不正解かを決める様な話ではない。
そもそも絶対的な正解があるのであれば、その正解に沿っていけば皆が成功者となれる訳で、そんな錬金術は存在しないと少なくとも私は思っている。時勢も違えば、場所も環境も違う、抱えている人間の個性も違う、何よりリーダー本人の人格が違うのだから、当たり前だ。
だから、人が語る”リーダーシップ論”に対する私の姿勢としては、ただ”良いと思った事はしっかり参考にする”という事だけだ。
経営者の道は、経営者の数だけあるという事で、どれもが正解であり、どれもが間違いで、自分にとっての正解が他人にとっても正解であるなどというのは、個人のエゴでしかないと思っているというわけだ。
何が言いたいかといえば、「リーダーたるもの、自らの在り方は、まず自分で考えるべきだ」という事である。
さて、ここまでツラツラと書いたのは、もちろん、本編(G-LABOストーリー)の前置きだ。
次回
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