実のところ、メインテーマとは180度異なる、“個人の休日”をテーマとした記事など、誰が読みたいか?と思わないでもなかったが、想像以上の良い反響を多く頂き、少々の驚きと共に非常に嬉しく思っているところだ。
組織というのは大小に関わらず、所詮個人の集まりなので、とりわけウチの様な零細企業は、個々の持つ個性や人格が“社格”“法人格”に多大な影響を与えるものだと思っている。
言換えれば、我々の持つ個々の個性こそ、最も重要なセールスポイントであり、付加価値だと思っている。
故に、個の持つ思考や哲学、感受性だけでなく、人間関係の在り方やその持ち方など全てを伝えたい。
だから、このブログでは、メインテーマに関わらず、“ある種の付加価値”として、「個」を曝け出していきたいと考えているので、引き続きの“私的な記事”をどうかご容赦いただきたい。
さて、私の“所業”を体良く正当化したところで、旅の続きについてお伝えしようと思う。
思わぬ絶景を余す事なく楽しみながら、41号線から256号線に乗り継ぎ、ようやく中津川市に入り、目的地である付知峡に近づくと、直ぐに一級河川である“付知川”が目に飛び込んでくる。
付知峡とは、この付知川の上流にあたり、ここでも鮎釣りは盛んな様子だ。
川の名前と共に、“付知”という地名があちらこちらで見られる様になり、また川幅の狭まりなどから、視覚的にも我々が目的地が近づいた事を理解できるが、それよりも、残り2km、1kmと目的地に迫った時に、突如として肌で味わう空気の変わり目の冷たさと、マイナスイオンたっぷりといった感じの心地よさがとても印象的だった。生身でライドしてこその体感だ。
付知峡に着くと、駐車場には、車客に加え、我々の様なライダーも多く訪れているのが印象的だった。
中には高速道路を走れない125ccの小型の名古屋ナンバーのチームもあり、知ったばかりの“下道を楽しむ旅”であれば、そういう選択もさぞや面白いだろうと思えた。
そして、今回のメインの目的地である付知峡だが、岐阜県きっての絶景スポットにその名が挙げられるのも納得の素晴らしい“非日常的風景”だった。
特に、観音滝、不動滝の二つの滝は、機会があれば、絶対に見るべきだ。自然を損なわない程度の適度な舗装がなされている遊歩道を歩くと、まず突然目に飛び込んでくるのが断崖絶壁から美しくも豪快に流れ落ちる観音滝だ。誰もがその瞬間、驚きと共に必ず立ち止まってしまう。
そして、滝壺を見下ろすと、信じられないくらい美しい、エメラルドグリーンというか、サファイヤブルーとも言える、“美しい碧”としか言いようのない水面を見る事ができる。そして、その直ぐ下には、それに続く不動滝を見る事ができる。
滝からやってくるサングラスを一瞬で曇らすほどの潤った風ももちろん素晴らしかったが、とにかく神秘的で美しいとしか言いようがない。
森の中に佇むこれらの息を飲むほど美しい滝を初めて見つけた人は、山の神や川の神の存在を信じずにはいられなかっただろうと真剣に思えたほどだ。
そんな付知峡を後にして、我々が次に向かった場所は、「苗木城跡」だ。付知峡からは20Kmほどの距離で遠くはないが、ここにも付知峡とは全く違った意味での絶景があった。
岩山に崖造で建てられた苗木城跡の独特な風貌は、まるであの“天空の城”さながらだった。
余談だが、崖造とは、京都の清水寺などで見られる、崖の地形を利用した建築法の事だ。城自体、決して大きいものではなかったが、巨岩の上に積み上げられた石垣は、経年で緑が生い茂り、城というよりは、“遺跡”と言った方がしっくりくる様な風貌で、頂上まで登ると、そこは中津川を一望できる360度パノラマの大展望台となっており、圧巻の絶景が広がっている。
後から知った話だが、この城は、「絶景山城 日本一」に選ばれた事があるそうだが、それも納得の素晴らしい景観だった。
苗木城を堪能した我々は、いよいよ帰路へと向かうのだが、途中、付知川で鮎釣りをしている光景が妙に気になり、少し立ち止まって眺める事にした。
そこには川の流れる音と鳥の囀りだけしか聞こえない、とても“スローな時間”が流れていた。そして、近くのバス停のベンチで一休みし、ふとバス停の時刻表に目をやると、そこには私的には信じられない情報が掲示されていた。
何と週に二日、それも二本ずつしか、バスが運行されていないという事だった。
過疎化の流れによるものかもしれないが、私的には流れる時間をもっと大切に、豊かに、贅沢に使うべきだと言われた気がした。所変われば、時間の流れも、その価値も違うのかもしれない。
他にも伝えたい事は山ほどあるが、かなりの長文となってしまったので、今回のショートライドのお話は、ここまでとさせていただこうと思う。
ちなみに次は海なので、次回は是非「海とウクレレの親和性」もテーマに加えたいと思う。
次回
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