良くも悪くもジェットコースターの様な一週間をキリキリ舞いで乗り切った週末からの4連休の初日、私は岐阜県は中津川という場所にいた。
4連休といっても、デスクワークの残務が山積しているので、フルに休めるわけではないのだが、最近の土日祝日における私の予定は、大抵は“お天道様”が決めてくれる。
くどい様で、且つウクレレの話でも、仕事の話でもない、単なる“私の最近の休日”の話で恐縮だが、天気の良い日は仲間とバイクで出かける事が最近の私のマイブームというか、ウチの会社の“our boom”といった感じだ。
余談だが、いずれベトナムでも川上や淡路とバイクで旅をしてみたいなどという話も俄かに挙がっているので、もし実現すれば、いずれこのブログでも報告させて頂きたい。
そういうわけで、本日は、青山、吉本、そして私の“初心者トリオ”で、“日帰りのショートライド”という事で、中津川周辺を巡ってみた。
中津川といえば、名古屋人にとっては、小学5年生の頃に学校行事で野外学習を受ける場所としてよく知られているが、大人になって改めて行ってみると、なかなか見所満載で面白い。
有名な観光地としては、中津川IC近くに“馬籠”があり、中山道沿いにある趣のある宿場町としてよく知られている。
しかし、今回はバイクの旅という事もあるので、中部のライダーにも密かに人気があり、ちょっとマニアックなスポットを目的地としてみたのだが、皆さんは“付知峡”という場所をご存知だろうか?
中津川近辺の有名な渓谷といえば、まず名前が挙がってくるのは、おそらく“恵那峡”だと思う。
恵那峡は恵那峡で、とても壮大な風景を楽しむ事ができるが、付知峡はそれとは大分趣が変わり、どちらかと言えば“秘境”といった感じで、実は中津川というか、岐阜を代表する“絶景スポット”でもある。
今回の旅は、その付知峡を第一の目的地とし、その周辺のスポットと併せて巡ってみる事にしたというわけだ。
今回の旅の始まりでまず感じた事は、「夏の終わり」と新しい季節となる「秋」の訪れだ。
バイクの旅の一番の醍醐味は、目に飛び込む様々な風景に加えて、その土地の匂いにある事は以前も伝えたが、今回の旅では、季節の変わり目である空気の変化を肌で感じ、秋の匂いを知る事ができた。
夏の終わりには、何故か寂しさを感じる事が多かったが、今回の旅では、それよりも、四季それぞれに味があり、同じ場所でもまるで違う様相を味わう事ができる驚きと嬉しさの方が遥かに優っていた。
何故なら、より深く日本という国を味わえる可能性を感じ、四季のある稀有な環境である日本に生まれて本当に良かったと思えたからだ。
明らかな気温の変化、湿度の変化、そして匂いの変化を五感で感じ、いずれ大きく変わるであろう風景の変化を心待ちにする気持ちが持てたのだ。そして、私はこの感覚をとても貴重で贅沢なものに感じた。
そして、もう一つ、今回の旅に大きなアクシデントはなかったが、行きの高速道路で渋滞に嵌りかけ、想定外の迂回を強いられる事になった。
これにより、本来高速道路で恵那か中津川まで出る予定でいたが、急遽、美濃加茂方面に向かい、そこから国道41号線を使って向かう事となったのだ。しかし、結果的にこれがとても良い経験を与えてくれた。
下道である41号線は、とても景観が良く、楽しく走れる道で、私にとってのツーリングの醍醐味の多くを満たしてくれたからだ。
以前、バイクの大先輩である同級生の友人から「バイクは下道が楽しい。」と言われた事があったが、その意味がよくわかった。
目的地ももちろん楽しみだが、そこに至る道中こそが、まさにバイクの旅における醍醐味そのものなのだ。
41号線は、まずは美濃加茂から高山方面へ向かう事となるのだが、道中は飛騨川沿いを延々と走る感じになる。飛騨川では鮎が釣れる様で、多くの釣り人達の姿を見る事ができた。
鮎釣りについても、飛騨川についてもよく知らなかったが、直ぐにそれが、この土地の“極めて日常的な風景”であると実感し、自分が“近くとも遠くから来た旅人”である事を自覚した。
もちろん、飛騨川そのものも、かなりの絶景で素晴らしかった。
そして、白川というエリアを経由するのだが、そこは、どうやら“お茶の産地”で有名らしく、美しい茶畑を至る所で見る事が見る事ができた。
地形を上手く活用し、段々と整然に続く茶畑の様は、どこを切り取っても様になる一流のアートの様だった。残すべき日本の原風景というのはまさにこういうものを指すのだと本気で思った。
以前にも言ったが、バイクで、生身で、全身で感じる風景は、本当に一味も二味も違う。
おそらく、車の窓から眺めていても、素晴らしい景色であると思う事に違いはないかもしれないが、記憶への刻まれ方は大きく違うかもしれない。
それが、気温、湿度、音、匂いなど、五感で感じる要素が多いからなのかどうかはわからないが、とにかく、私には衝撃的に感じる事ばかりだ。そして、渋滞で迂回する羽目となった私は本当にラッキーだったと心底思えた。
バイクの旅は道中から全て面白い。渋滞にあっても、暑くても、寒くても、雨や風に打たれまくってもだ。それら全てが、五感を通して、体に、記憶に刻み込まれるからかもしれない。
ともあれ、私たちは、まずは今回の目的地である“付知峡”を目指したのである。
次回
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