ゼロから生産ラインを作り上げるのに最も重要なのは「トライ・アンド・エラー(挑戦と失敗)」を繰り返す中で、都度「最適化を繰り返す」事だ。
最適化に向けて舵が切れる環境が無ければ、トライ・アンド・エラーと言っても延々と同じ失敗を繰り返すだけとなってしまい、エンドレスで同じ課題に苦しみ続ける事になる。
しかしながら、常に問題の渦中にいるプレーヤーからすると、目の前に降りかかる問題に対処すべく常に全力で事に当たっているが故に、盲目的にその問題しか見えなくなり、全体まで目が行き届かないため、そういった”同じ失敗を繰り返す”という事態に陥りやすい。
まさに、今のG-Labo工場がその状態だ。
そもそも、ここで言う「最適化」とは何か?という事であるが、これには「改善に向けた具体的な動き」と、それに伴う「タスクの変更・調整」の二つがある。
まず、「改善に向けた具体的な動き」であるが、これは「川上にしかできない作業」がボトルネックとなっている問題について言えば、先述の通り、短期的には「手練れ職人の増員」と効率を上げるための「機械の導入」、中長期的には「職人の教育」というものが挙げられる。
そして、当たり前の事ではあるが、例えば「手練れ職人が欲しい」と思うならば、「探す」というアクションを取らなければどれだけ内心欲しても永遠に手に入れることはできない。
新しい機械が欲しければ、業者を選定して、打ち合わせるという「アクション」を取らなければ、話は1ミリも進まないのだ。
要するに、まずは「始める」という初動のアクションを取らなければ、何も始まらないという、書くのが恥ずかしくなるほど当たり前な話なのだが、現時点では、それがそもそもできていないという事なのである。
出来ない理由は簡単で、工場全体として「タスクの管理」を軽んじている事、そして都度変化する「プライオリティ(優先順位)の設定」が間違っているという事だ。
とはいえ、以前にも書いたが、タスクのマネジメントというのは非常に難しく、高度な技術が必要だ。
何故なら、特に生産ライン構築における序盤戦では「やってみなければわからない」という不確定要素が多く、加えて予期しきれないトラブルも多いからだ。
そのため、タスクのあり様も、日々まるでアメーバの様に変化しまくってしまう。
そんな中、差し迫った時間(納期)に追い込まれていくと、その渦中にいる現場の人間からすれば、プライオリティの最適解など、いちいち考える余裕など微塵もないといった感じとなってしまうわけである。
皆さんは、映画「インディージョーンズ」の第二作、「魔宮の伝説」を観た事はあるだろうか?
主人公であるインディーと相棒の少年ショートが、迫り来る天井に押しつぶされそうになる中、必死で脱出方法を探すシーンがあるが、例えば、あの様なタイミングで、脱出方法以外の事柄を考える余裕など、恐らく誰も持つ事などできないだろう。極論を言えば、そんな感じだ。
だからこそ、先述した「新たな役割分担」が重要となってくるというわけだ。
次回
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