気がつけば、G-Labo工場設立から早くも半年が経過した。
様々なトラブルに見舞われる中、それでも生産数は当時の約25%増しにまで上がり、工場としては、一応の体を成し始めたといったところである。
しかし、まだまだ依然として課題も多いというのも実状なのだ。
課題と言っても大小様々あるが、今最も注視している課題は、大きく分けて二つある。
一つ目は、現在の生産フローが抱える”致命的な欠陥”であるのだが、簡単に言うと、未だに「川上しかできない」という作業項目があり、それが重大なボトルネックとなってしまっているという事だ。
いきなりで恐縮だが、皆さんは「クリティカルパス」という言葉を聞いた事があるだろうか?
システム開発業務でもしばしば耳にする言葉だが、私は、2001年に日本でも出版されたエリヤフ・ゴールドラットによる名著「THE GOAL」という小説で初めて知った。
この小説は、機械メーカーの工場長である主人公が業務プロセスの改善を行っていく物語である。
単純にワクワク満載なサクセスストーリーとしてもかなり面白いのだが、それ以上に注目すべきは、物語全体に極めて実践的な業務改善ノウハウが濃密に詰まっていることで、業種を問わず、全ての経営者やマネージャーにお勧めしたい一冊だ。
余談だが、この本には都市伝説の様な話がある。
アメリカで出版されて以来、世界中でベストセラーとなっていたにも関わらず、17年間もの間、何故か日本だけは出版されなかったのだ。そして、その理由として、著者であるエリヤフは、次の様に語っている。
「日本人は、部分最適の改善にかけては世界で超一級だ。その日本人に『ザ・ゴール』に書いたような全体最適化の手法を教えてしまったら、貿易摩擦が再燃して世界経済が大混乱に陥る」
という事で、アメリカ的に「日本人には教えたくない禁書」であったとかなかったとか。。というわけだ。
「信じるか信じないかはあなた次第」というわけだが、実際にこの本を読んだ感想としては、そういった都市伝説めいた話が、本気か冗談かわからないと思えるレベルで面白く、当時駆け出しの経営者であった私にとっては、間違いなく、非常にためになったとだけ言っておこう。
そして、余談に次ぐ余談で恐縮だが、実はガズさんと度々、互いが面白いと思った本を交換するという読書交換的な事をやっているのだが、以前、この本もガズさんと交換した事があった。
そして、私同様に感銘を受けた様子で、なかなかの評価を頂けた事をよく覚えている。
脱線が過ぎてしまい恐縮だが、ここでクリティカルパスの話に戻そうと思う。
クリティカルパス(Critical Path)とは、直訳すると「重大な経路」という意味だが、つまり、プロジェクトの工程(生産ライン)を一つの線で結んだ時に、最も時間のかかる工程のことを指し、”その工程が遅れてしまうとそれに連なる全工程が遅れてしまう”という、納期に対して最も重要なパスを意味する。
そして、上述の「川上にしかできない工程」というのは、まさしくこの「クリティカルパス」に他ならないというわけだ。
次回
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