土曜日のある日の晩、ちょっと聞きたい事があり川上に連絡をとってみると、彼は淡路くんと二人で工場にいた。
何をしているのか尋ねたとろ、新しい機械が届いたので、淡路くんと二人で試しているという事である。
休日出勤の良し悪しはともかく、やけに機嫌が良いというか、多少興奮気味だったのは、購入した機械がとても良かったからだと言う。
単純に木を切断する機械なのだが、川上の話によれば、従来の機械の5倍も早く同じ作業が進むという事だった。なるほど。それなら興奮する気持ちもよくわかるというわけだ。
ちなみに一緒にいた淡路くんは、数ある製造工程の中でも、こうした製材系の仕事は特に得意なようで、早速試してみたらしく、その感想は、「なんじゃこれ!」っと言うほど爽快に切れるということだ。
今回の機械は日立のハンドソーということだったが、さすがの日立製といったところである。
しかし、細かな作業工程となると、既製品で対応する事はとても難しい。作業がニッチ過ぎて、専用の機械というのはなかなか無いのだ。
そこで、川上工場では、その作業にあった機械を何と自作でも作っている。
一部を紹介すると、ウクレレのサイドを成形する機械や、バインディングをカットする機械がそうだ。
こうした機械は川上の積み重ねてきた経験から、“こんな機械があったら便利”というのを想像して、川上自身の手によって作られたり、ベトナムの機械職人に頼んで製作してもらったりしている。
こうした川上のセンスや経験に関しては、改めてリスペクトを抱かずにはいられない。本当に素晴らしい才能だ。
職人としてのスキルをどれだけ高めたところで、それだけでは生産性の限界は直ぐに見えてしまう。
機械というのは、まさに文明の利器だ。精度を落とさず従来の仕事が5倍の速度で実現できるなら、もちろん投資を惜しむところではない。
今回購入した機械は然程高いものではなかったので、以降の費用対効果はまさに計り知れない。
予算の限界はもちろんあるが、それでもできる限り、生産性を高める機械の導入は積極的に推進していく方針だ。
最高の職人に、最高の道具や機械が備われば、“最高品質”のウクレレを“最大効率”で生産できるというのは自明の理なのである。
何より、現場で奮闘する川上をはじめとする職人スタッフ一同に対して、できる“合理的な支援”は全て行いたいのだ。
\ R A N K I N G /
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